話題のドラマ「わたし、定時で帰ります。」が、昨日2019/06/26の最終回をもって放映が終了しました。
いやあ、自分の働いているWeb制作業界の話ということもあり、共感できる部分があって非常に面白かった!

このドラマはタイトル通り、制作業界の労働環境を巡って、働くことの意義などについて、問いかけるような内容でした。

実際にWeb制作会社の「LIG」さんが監修しているらしく、内容がリアルで、Web制作業界の方にはあるあるという部分が多かったです。

筆者も観ていて色々と思う所がありましたが、「3,500万円で運用が取れないと赤字になる」というくだりについて、実際にWeb制作業界で働く筆者としての見解をお話したいと思います。




キャンペーンサイト制作3,500万円で赤字確定について

まず、キャンペーンサイトで3,500万円ですが、スタッフの給与とか残業代、事務所の家賃などが分からないと一概に言えないのですが、少々お高いのではないかと思いました。

Webサイトの全貌がよく分かりませんが、EC機能が仮についていたとしても、ちょっと高め。
大手代理店の下請け案件でもなく、Web制作会社が請けた直案件ですので、実際は1,000万円でもお釣りがくるのが、実際ではないかと思います。

現実は数百万円のレベルではないかと思います。
今のご時世、キャンペーンサイトに3,500万円でも制作費出さないですよ。実際には。

まあ、こういうドラマなので、多少大きな規模に設定しているのは分かります。

それは置いておいて、運用を取れないと赤字確定という部分についてです。

運用前提の制作費用であれば、値引きの条件に入れるべきだった。

ドラマでは福永さんという部長職の方が、運用を前提として無理な制作費で受注してしまいました。

しかし、その後クライアントの担当者の変更などで、運用自体を相見積を取ったり、担当者を外すなどの条件を付けないと、運用を発注できない、と条件を反故にするようなことをほのめかし始めます。

当然、現場の担当者は慌て始めるのですが、ここで思ったのがどうして、運用の受注を条件として「お値引き」という方法で金額の調整をしなかったのか?

おそらく、福永部長は値引きではなく、値段そのものを調整して、受注したようですが、ここがまずかったところです。

ドラマを見る限り、工数(単価)そのものを調整して、合計金額だけをクライアントの言い値に調整しているので、見積り上は運用の発注は口頭約束でしかありません。

本当の制作費用に対して、条件付きの値引きをいれることで、発注前提の価格であり、もし条件が変更になるのであれば、請求時には正規の価格になるということを、きちんと書面と一緒に説明しておくべきでした。
常識的な企業であれば、きちんと見積りなどの書面上に条件が残っていれば、担当が変わったとしても、それを覆すようなことはしないはずです。

口約束だから、覆すようなことを言ってくる担当者も出てくるのです。

現実の制作現場でも、覆してくるような担当者は普通にいます。

しかしながら、実際の制作現場には、値引き条件を入れたとしても、平気で反故にしてくるような人や、品質に難くせを付けて、値引き交渉をしてくるなど、反社会集団かと思われるような取引を交渉してくる人もいるので、確実に大丈夫というわけではありません。

でも、ドラマに出て来ていた大きな企業相手であれば、見積り金額を調整する際に、「正規価格と値引き条件」をきちんと説明して納得して契約しておけばよかったのではないかと思いました。

制作業界の長時間労働を生み出すのは、無理な受注だけではない。

今回のドラマでは、無理な受注案件によって、いつも定時で帰っていた主人公が残業をするはめになっていました。
まあ、これは良くある話だと思います。

ただ、制作業界のブラックな労働は、実際にはこれだけが原因ではありません。

本質的な部分で言うと、

  • 社員が定時に帰ることに対して、経営者が不満や不安を感じている
  • フレックス勤務が早めに出社している人を潰す。

の二点が大きいと思います。

これは、実際に筆者自身が制作現場で働いていて、ずっと感じていたことです。




経営者自身が長時間労働を頑張っているとみなしている。

このサイトでも書きましたが、年配の経営者ほど長時間労働を良しとしており、社員が定時で帰ることに対して、不安や不満を持つことが多いのです。

筆者自身、複数社のWeb制作会社で勤務させていただき、定時に帰ることが数日続く社員がいると、「あの人、本当に毎日早く帰って大丈夫?」「いざって時にへばっちゃうよ」などと、どの社長もみんな言ってきました。

社長などの経営者としては、社員を効率よく使って、事業を拡大するのは当然なのですが、社員を提示に上がらせることに対して、損をしている、というような感情を持つ人がいることも事実です。

特に小さな制作会社で、自分が現場上がりで、現場の近くにいる社長はその傾向が顕著です。

やはり、上司や社長が先に帰る会社は帰りやすく、そういう雰囲気作りをまずは上の人間がやっていかないと、なかなか定時に帰るのは難しいですよね。

フレックス勤務が早めに出社している人を潰す。

制作会社ではフレックス勤務を採用している会社が多いです。

子育てをしながら働いている方もいるので、フレックスを否定するつもりはありませんが、全員が同じ時間に揃わない、ということが、結果として人によっては長時間労働を生み出す原因であったりもします。

出勤の時間が「9:00」の人と、「11:00」の人が、同じ労働時間を勤務すると、帰る時間にも当然2時間差が出ます。

2人が、1時間ずつ残業すると、9:00に出社した人は19:00に、11:00に出社した人は21:00に帰ることになります。

21:00というと、時間的には遅いですし、残業している感が出てきます。
この状況において、早く出社している人が19:00に帰ると、「お!早くていいな!」みたいな時間が生まれるのです。

もしくは、2時間遅く出社した人が、早く出社している人が帰ろうとすると「ちょっと待って、これやって欲しい」なんて追加オーダーをしたりします。

そうすると、9:00に帰った人は強制的に11:00に来た人より残業することになります。

フレックスは働きやすい部分もありますが、みんな揃って業務をスタートしないことで、労働時間に時間差が生まれて来ます。
制作業務はチームになるので、どうしても遅くきた人に早く来た人が合わせる傾向にあり、そうすると、早めに出社して早く帰りたい人に、強制的に残業を強いるような事態が生まれるのです。

ですので、強制的にでも足並みをそろえて作業をしないと、平等に残業を減らしていく、というのが厳しいという現実もあります。
もちろん、人によって集中できる時間帯が異なり、クリエイティブ職なので、時間に縛られずに働きたい、ということも分かります。

ただ、制作現場では、人によって働き方や働くことに対して取り組み姿勢や考え方が異なるので、つき合わされる人が潰れてしまうような傾向もあります。

ドラマだと、種田さんだけが常にハードワーカーでしたが、実際には時間差勤務で、早く出社している人が、遅く勤務してきた人に捕まって、長時間労働を強いられるという現実もあるのです。

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働き方改革なんていっても、なかなか現場は変わらなかったりしますが、ドラマを通じて考えさせられることで、少しでも制作業界全体が変わっていけば良いですよね。

恐らく、そうでないと業界は変わっていかないと思います。

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